R5年度 福岡県社会科研究協議会テーマとの関連性について
(1)問いを生み出す目標設定と教材化
「問い」を生み出す目標設定と教材化とは、目標につながる「問い」を整理し、素材や内容を吟味しながら教材にしていく作業のことである。
地域性の視点から
地域性は、社会的事象について自分事として捉えるために設定する。今回取り上げた教材は、子どもたちが住んでいる福岡県の北九州市に本社をおくTOTOである。また、トイレは毎日使用するものであり、自宅や商業施設などでTOTOのトイレを使用した経験のある児童も多い。
課題性の視点から
トイレは、子どもが毎日使用している割に、その製造工程や流通などについて知る機会は少ない。「どうしてだろう?」「なぜだろう?」と考えることができるような教材である。
関連性の視点から
関連性とは、社会的事象と自分とのつながりや、自分と社会との関わりを意識した視点であり、子どもが「自分とどうつながっているのか?」「自分に何ができるか?」などの「問い」をもつための視点である。自分自身を深く見つめ直し、自身の生き方を考えるために必要な視点である。
今回の教材では、TOTOの衛生陶器の生産を中心に追究していく。また、安川電機の産業用ロボットの生産、明治のチョコレートの生産、極東開発工業の特装車の生産について追究していく。その中で共通点を見出し、各企業が消費者や顧客のニーズを踏まえて製品をつくっていることを捉えることができる。
本単元の最後となる「いかす」段階では、「身近な課題を解決するために、どのような製品があるとよいか?」という「問い」をもち、製品のアイデアを考え、表現する活動を仕組む。その際、各企業は消費者のニーズを重視しているという既習事項を活かして考えさせる。
(2)「問い」を深める学習活動
子どもの認識が事実認識から価値認識へと深まる過程の中で社会的な見方・考え方を働かせながら「問い」を連続・発展させ、学習内容の習得や資質・能力を身につけていくために行われる教育的な活動である。
対話活動Ⅰ「課題の把握」
学習問題について予想し、追究の見通しをもつ。
今回の「出会う・つかむ」段階では、子どもたちが自分の知っている工業製品について、既習事項を生かしながら予想し
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