こんにちは。外﨑です。
理科の授業づくりに悩んでいませんか?
昨今、批判的思考力の育成が注目される中、STEAM教育を取り入れた授業実践が増えてきています。しかし、現場の先生方からは「効果はあるの?」「授業が難しくなりすぎない?」といった疑問の声も。
そんな中、山中真悟先生らによる研究「小学校理科における批判的思考力の育成に関する基礎的研究」が発表されました。この研究では、小学校6年生の理科「電気の利用」の単元にSTEAM教育の要素を取り入れ、自動ブレーキ機能付きの車のデザインを通して、批判的思考力の育成を目指しています。
研究の内容と結果
研究では、全11時間の単元計画が立てられました。前半は電気の基本的な性質や働きを学習し、後半はそれらの知識を活用して車のデザインとプログラミングに取り組むという流れです。STEAM教育の要素として、Science(電気の性質や働き)、Technology(センサーやプログラミング)、Engineering(車の設計と製作)、Arts(デザイン性の考慮)、Mathematics(回路の直列つなぎ・並列つなぎによる電圧・電流の変化の計算)が統合的に扱われています。
研究の効果検証では、質問紙とワークシートの分析が行われ、一定の効果が示されました。生徒たちは、自動ブレーキ付きの車をデザインする課題に意欲的に取り組み、電気の性質や働きへの理解を深めるとともに、批判的思考力を発揮する場面が見られたそうです。
現場の教員の視点からの考察
研究の結果は喜ばしいものですが、現場の教員の視点から見ると、いくつか気になる点があります。
まず、STEAM教育の要素を取り入れることで、授業の難易度が上がり過ぎないか心配です。特にプログラミングの導入は、理科の学習内容が薄まってしまうリスクもあります。また、批判的思考力の育成には、他にももっと効果的な方法があるのではないでしょうか。
ただ、こうした課題はあるものの、STEAM教育の視点を理科に取り入れることで、より深い学びにつなげていく可能性は大いにあると思います。大切なのは、私たち教員が授業デザインを工夫し、子供たちの実態に合わせて柔軟に対応していくことです。
批判的思考力の育成は、試行錯誤の連続かもしれません。でも、だからこそ私たち教員も常に学び続ける姿勢が必要ですよね。この研究を1つのヒントに、理科の授業づくりを楽しんでいきましょう!
まとめ
山中先生らの研究は、小学校理科にSTEAM教育の要素を取り入れ、批判的思考力の育成を目指した意欲的な実践でした。課題はありつつも、その可能性は大きいと言えるでしょう。
私たち現場の教員は、この研究を参考にしながら、子供たちの実態に合わせた授業デザインを工夫していくことが求められます。失敗を恐れず、様々なアイデアを試してみる勇気も必要ですね。
理科教育の新たな地平を切り拓くため、これからも学び続けていきましょう!
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