【先生必見】ICTが苦手でも大丈夫!Googleスライドを使ったデジタルノート活用法


こんにちは。以下の内容をもとに絶賛論文を書いている外﨑です。査読通るといいなぁ。

ICTが苦手な先生でも、Googleスライドを使ったデジタルノートを授業に取り入れられるコツをご紹介します。

目次

デジタルノートとは?

デジタルノートとは、紙のノートの代わりにスライド作成アプリを使って学習内容をまとめるものです。Googleスライドなら、テキストだけでなく図表や写真も簡単に挿入でき、クラウド上で共有することもできます。

中学校理科の授業でデジタルノートを活用した研究では、以下のような結果が得られました(北濱ほか, 2022)。

学習者はデジタルノートを用いて学習を進めることを肯定的に捉えていたこと,理科の基本的な学習展開に合わせてデジタルノートを用いることの有用性を認識していた。

北濱 康裕, 小林 祐紀, 白𡈽 瑞樹, 西岡 遼, 岩崎 啓子, 中川 一史, スライド作成アプリを従来のノート代わりに初めて 授業で活用した際の学習者の活用に対する意識調査, AI時代の教育論文誌, 2023, 6 巻, p. 1-7, 公開日 2023/10/20, Online ISSN 2436-4509, https://doi.org/10.50948/esae.6.0_1, https://www.jstage.jst.go.jp/article/esae/6/0/6_1/_article/-char/ja

生徒がデジタルノートの有用性を認識していることがわかります。では、実際の授業ではどのように活用していけばよいのでしょうか。

デジタルノート活用の3つのポイント

1. 多様な授業場面で使ってみる

理科の実験、社会科の調べ学習、国語の感想文など、さまざまな授業でデジタルノートを活用してみましょう。北濱ほか(2022)は、次のように述べています。

授業者はデジタルノートの活用に際して,一人一台端末のカメラ機能を用いて実験結果を撮影してデジタルノートに貼り付けるなど,結果を記録しやすくすること,カラーの図表や実験結果の写真を用いてノートに記録し,図表や写真を見ながら考察できるなど学習内容の理解が実感できるように配慮する必要性が示唆される.

北濱 康裕, 小林 祐紀, 白𡈽 瑞樹, 西岡 遼, 岩崎 啓子, 中川 一史, スライド作成アプリを従来のノート代わりに初めて 授業で活用した際の学習者の活用に対する意識調査, AI時代の教育論文誌, 2023, 6 巻, p. 1-7, 公開日 2023/10/20, Online ISSN 2436-4509, https://doi.org/10.50948/esae.6.0_1, https://www.jstage.jst.go.jp/article/esae/6/0/6_1/_article/-char/ja

実験結果の記録や、図表・写真の活用など、デジタルノートならではの使い方を意識することが大切だと言えます。また、使う機会が増えるほど、生徒の操作スキルも上達していくでしょう。

2. 活用方法を生徒に伝える

自分の考えをまとめやすくするコツや、グループでの話し合いに役立つ使い方など、デジタルノートの活用方法を生徒に積極的に伝えていきましょう。例えば、以下のような方法が挙げられます。

  • キーワードに色を付ける、図を挿入するなどして、ポイントを視覚的に整理する
  • スライドを共有して、グループメンバーの意見を比較・整理する
  • 前の授業のスライドを振り返り、学習内容を定着させる

北濱ほか(2022)の研究でも、デジタルノートの有用な活用方法を紹介することの重要性が指摘されています。

多様な授業においてデジタルノートを活用する場面を設定したり,デジタルノートの活用方法を積極的に紹介したりすることで,操作技能の向上や新たな活用方法の獲得につながり有用な支援となりうることを指摘できる.

北濱 康裕, 小林 祐紀, 白𡈽 瑞樹, 西岡 遼, 岩崎 啓子, 中川 一史, スライド作成アプリを従来のノート代わりに初めて 授業で活用した際の学習者の活用に対する意識調査, AI時代の教育論文誌, 2023, 6 巻, p. 1-7, 公開日 2023/10/20, Online ISSN 2436-4509, https://doi.org/10.50948/esae.6.0_1, https://www.jstage.jst.go.jp/article/esae/6/0/6_1/_article/-char/ja

先生から具体的な活用法を学ぶことで、生徒のデジタルノート活用の幅が広がっていくはずです。

3. 理解度が実感できる場面から始める

生徒が「デジタルノートを使うと内容がよく理解できる」と実感できるような場面から、活用をスタートしてみてください。北濱ほか(2022)は次のように述べています。

学習内容の理解につながることを学習者自身が実感しやすい場面での活用から始めることの重要性を指摘できる.

北濱 康裕, 小林 祐紀, 白𡈽 瑞樹, 西岡 遼, 岩崎 啓子, 中川 一史, スライド作成アプリを従来のノート代わりに初めて 授業で活用した際の学習者の活用に対する意識調査, AI時代の教育論文誌, 2023, 6 巻, p. 1-7, 公開日 2023/10/20, Online ISSN 2436-4509, https://doi.org/10.50948/esae.6.0_1, https://www.jstage.jst.go.jp/article/esae/6/0/6_1/_article/-char/ja

例えば、理科の実験では、結果の記録と考察を書く場面でデジタルノートを使うと効果的でしょう。実験結果の写真を貼り付け、それを見ながら自分の考えをまとめられるので、学習内容の理解が深まります。

このように、生徒の理解度アップににつながる場面を意識してデジタルノートを活用していくことが肝心です。

ICTが苦手な先生へのエール

ICTが苦手な先生からは、以下のような不安の声があがっています。

  • 授業中のトラブル対応が心配。操作方法のマニュアルがほしい。
  • 自分が使いこなせないと、生徒に活用法を教えられない。先生向けの研修が必要。
  • 操作が遅い生徒へのサポート方法がわからない。個人差への対応が難しそう。

こうした不安を抱えている先生もご安心ください。操作のマニュアル作りや、先生向け研修、個人差への対応などのサポート体制を整えながら、ぜひデジタルノート活用に挑戦してみてください。

北濱ほか(2022)の研究では、デジタルノートの活用効果に生徒の学力差は影響しないことがわかっています。

デジタルノートの活用に対して,学力層による結果の違いは認められなかった.

北濱 康裕, 小林 祐紀, 白𡈽 瑞樹, 西岡 遼, 岩崎 啓子, 中川 一史, スライド作成アプリを従来のノート代わりに初めて 授業で活用した際の学習者の活用に対する意識調査, AI時代の教育論文誌, 2023, 6 巻, p. 1-7, 公開日 2023/10/20, Online ISSN 2436-4509, https://doi.org/10.50948/esae.6.0_1, https://www.jstage.jst.go.jp/article/esae/6/0/6_1/_article/-char/ja

つまり、ICTが得意な生徒も苦手な生徒も、等しくデジタルノートの恩恵を受けられるということです。操作に不安を覚える生徒には、マンツーマンで丁寧に指導するなどの配慮が必要ですが、全体としてはどの生徒にもデジタルノートのメリットを享受してもらえるよう活用を進めていけばよいでしょう。

また、北濱ほか(2022)は次のような指摘もしています。

デジタルノートの使用に対する意欲は,学習内容の理解と実験結果の記録がしやすい等の活用促進要因との関わりがあること,また活用促進要因と学習内容の理解との関わりもあること,

北濱 康裕, 小林 祐紀, 白𡈽 瑞樹, 西岡 遼, 岩崎 啓子, 中川 一史, スライド作成アプリを従来のノート代わりに初めて 授業で活用した際の学習者の活用に対する意識調査, AI時代の教育論文誌, 2023, 6 巻, p. 1-7, 公開日 2023/10/20, Online ISSN 2436-4509, https://doi.org/10.50948/esae.6.0_1, https://www.jstage.jst.go.jp/article/esae/6/0/6_1/_article/-char/ja

つまり、デジタルノートを使うと学習内容の理解が進み、そのことが生徒のやる気にもつながるというわけです。

先生方には、ぜひ一歩踏み出してデジタルノートの活用に取り組んでいただきたいと思います。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、生徒の学習意欲と理解力を高めるという大きなメリットを考えれば、チャレンジする価値は十分にあります。

サポート体制を整え、先生同士で情報交換しながら、デジタルノートを使いこなす素敵な授業を作っていきましょう。生徒の笑顔と向上心に満ちた教室が、すぐそこに待っていますよ。

まとめ

デジタルノートは、生徒の学習意欲と理解力を高めるのに大変効果的なツールです。Googleスライドを活用すれば、ICTが苦手な先生でも十分に使いこなせるはず。

授業での活用ポイントをおさらいしておきましょう。

  1. 理科の実験、社会科の調べ学習など、多様な場面でデジタルノートを活用する
  2. 考えをまとめるコツ、話し合いでの活用法など、具体的な使い方を生徒に伝える
  3. 実験の記録と考察など、生徒の理解度が実感できる場面から使い始める

ICT活用が得意でない先生も、ICT支援員さんや校内の得意な先生のサポート体制を整えつつ、ぜひデジタルノートの導入に挑戦してみてください。生徒の可能性を引き出す、わくわくする授業があなたを待っています。

また、GEG Chikuhoでは、私だけではなく色んな先生たちが助け合っています。

ぜひご参加ください。興味がありましたら、私のTwitter(X)かフェイスブックからご連絡ください。

参考文献
北濱康裕, 小林祐紀, 白𡈽瑞樹, 西岡遼, 岩崎啓子, 中川一史. (2022). スライド作成アプリを従来のノート代わりに初めて
授業で活用した際の学習者の活用に対する意識調査 中学校理科「動物の体のつくりとはたらき」を対象とした事例研究. AI時代の教育論文誌, 6, 1-7.

今回取り上げた論文の中に「村を育てる学力/東井義雄」があります。

こちらについてもnoteの記事があったので紹介しておきます。60年前の本でありながらも、現在の教育にも通ずる内容が書いてあり、めちゃくちゃ面白かったです。

原著は絶版なのでAmazonで五千円ほど。研究費が出たら買える・・・

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この記事を書いた人

福岡の小学校教員 8年目 / 社会科の授業にICTを活用 / GEG Chikuhoリーダー /初心者向けICT研修講師/ 福岡社会科教育実践学会・日本教育工学会所属 / WordPressでICT活用術を発信 / 動画編集・デザイン・Web記事作成・論文執筆・楽曲制作も

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