はじめに
ICT化が進む教育現場では、タブレットを活用した授業が当たり前になりつつあります。しかし、子どもたちの中には、紙に書くことは得意でもタブレットでの入力は苦手だと感じている子もいます。外﨑学級の子どもたちの声から、紙とタブレットの効果的な使い分けについて考えてみましょう。
動画派の先生は以下から
データ
アンケートの結果を紙に書いて考えるのが苦手な児童と得意な児童に分け、グラフ化しました。
紙に書いて考えるのが苦手な児童
紙に書いて考えるのが得意な児童
紙に書いて考えるのが苦手な児童
紙に書いて考えるのが得意な児童
紙に書いて考えるのが苦手な児童
紙に書いて考えるのが得意な児童
タブレットが得意な子どもたちの声から見えてきたこと
タブレットでの入力が得意だと回答した子どもたちからは、以下のような意見が聞かれました。
- キーボードを使えば、素早く考えを書き留められる。
- インターネットですぐに調べものができる。
- ドキュメントやスライドで情報を整理し、共有しやすい。
- デジタルスキルの重要性を感じている。
- データが消えるなどのトラブルへの不安もある。
紙が得意な子どもたちの声から見えてきたこと
一方、紙への書き込みは得意だがタブレット入力は苦手だと感じている子どもたちの意見からは、次のような点が浮かび上がってきました。
1. 自由度の高さと思考の可視化
紙に書く場合、自由に文字を書いたり、図や絵を描いたりできます。思考を可視化しやすいので、頭の中を整理しながら考えを深められます。タブレットでは、そうした自由な表現が難しいと感じています。
2. 集中力の持続
紙に書いているときは、集中力が切れにくいようです。対して、タブレットの画面を見続けることに疲れを感じるという子もいました。画面を拡大して、読んでいると記事がずれてします。
どこ読んでいたのかがわからなくなる。
3. アイデアの創出
紙の上で付箋を貼ったり、ペンで線を引いたりしながらアイデアを生み出すことに喜びを感じている子どもが多くいました。手を動かす中で、新しい発想が生まれるのです。
4. 同時に見渡せる情報量の多さ
紙の場合、机の上に資料を広げられるので、一目で全体を見渡せます。その点、タブレットだと1画面に表示できる情報量が限られ、全体像を把握しづらいと感じているようでした。
授業改善のヒント
紙派の子どもたちの声からも、授業改善のためのヒントが見えてきます。
1. 個性に合わせた使い分け
子どもたちの特性は十人十色です。「すべてタブレット」「すべて紙」という画一的な方針ではなく、一人一人に合った使い分けを考えることが大切です。
2. 思考の可視化の重視
紙は、思考を可視化するのに適したツールです。タブレットも、手書きアプリなどを使えば、同様の効果が期待できます。思考の可視化を大切にする指導を心がけましょう。
3. 集中力の持続への配慮
長時間タブレットを使うと、集中力が切れてしまう子どももいます。メリハリをつけて、紙とタブレットを使い分ける工夫が必要です。
4. アイデア発想の手法の指導
付箋を使ったり、マッピングしたりするアイデア発想法は、紙でもタブレットでも活用できます。発想力を高める手法を子どもたちに伝え、創造的な学びを促しましょう。
5. 俯瞰する力の育成
タブレットで学習するときは、全体像を意識させる指導が欠かせません。情報を俯瞰する力を育てることで、紙とタブレットの学びの質を高められるはずです。
紙とタブレット、双方のよさを生かして
外﨑学級の子どもたちの声からは、紙とタブレット、それぞれのメリットが見えてきました。得意なツールは子どもによって異なります。大切なのは、一人一人の学びのスタイルを尊重しながら、双方の長所を生かすことです。
紙とタブレットは二者択一ではありません。むしろ、それらを行き来することで、学びは深まっていくのです。教師には、子どもたちの声に耳を傾け、柔軟に授業をデザインしていく力量が求められています。
おわりに
子どもたちは、紙とタブレットを使い分けながら、主体的に学ぼうとしています。
私たちは、子どもたちの声から学ぶべきことがたくさんあります。
ICT化の波に流されるのではなく、一人一人の子どもたちの個性に寄り添いながら、紙とタブレットのベストミックスを探っていきたいものです。
次回記事
Googleの感情分析のAPIについて調べてみて、わかったことや何に使えそうなのか?ということを記事にしたいと思います!
お楽しみに!
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