講師:プランプラン株式会社 村上真由子さん
近年、人工知能(AI)技術の急速な発展により、教育分野においてもその活用が注目されています。特に、OpenAIが開発したGPT-4oのような大規模言語モデルを利用したツールが、学習支援や教育の個別最適化に大きな可能性を秘めています。本記事では、教育関係者によるディスカッションをもとに、GPT-4oを活用した自学支援ツールの特徴や利点、課題、そして教育現場でのAI活用の現状と展望について探ります。
学校現場で働いた経験を生かして作られた自学支援ツール。とってもよかったです。ぜひお試しください。
1. GPT-4oを活用した自学支援ツール
プランプラン株式会社が開発した自学支援ツールは、GPT-4oの技術を基盤としたチャットボットを利用しています。
このツールの主な特徴は以下の通りです:
- 子どもたちが自学の内容を決める際の対話型サポート
- 低学年の児童に向けたひらがなでの説明機能
- 教科書や問題集の内容に基づいた学習アドバイス
- 多様な学習テーマに対応(算数、理科実験など)
このツールの開発背景には、ゼロから考えることが苦手な子どもたちの支援という目的がありました。
チャットボットが子どもの興味や関心に沿って質問を重ねることで、徐々に学習テーマを具体化していく仕組みになっています。
2. 自学支援ツールの利点
個別最適化された学習支援
チャットボットは子どもの反応に応じて、適切な質問や提案を行います。これにより、一人ひとりの興味や理解度に合わせた学習支援が可能となります。
24時間利用可能な学習パートナー
教師や保護者が常に側にいなくても、子どもたちはいつでも学習のサポートを受けることができます。
多様な学習テーマへの対応
数学や理科といった教科学習だけでなく、学年にあった本の紹介やAIについての自由研究など、幅広い分野での学習をサポートします。
学習データについて話を聞いていると、学校現場を経験した人の思考だと感じました。
ひらがな対応による低学年向けサポート
低学年の子どもたちも利用しやすいよう、ひらがなでの説明機能が実装されています。
3. 教育現場でのAI活用の現状
今回のMeetに参加した教育関係者の報告によると
- 一部の生徒が英作文や小論文の添削にAIを利用している
- 教師の中にはAIの活用に積極的な者もいるが、学校全体としてAIの活用を推進する動きはまだ少ない
- 生徒のAI利用実態の把握が難しい
4.今後の展望と課題
AI活用のガイドライン策定
教育現場でのAI活用を適切に進めるため、学校や教育委員会レベルでのガイドライン策定が求められます。
文部科学省が出しているものはありますが、それをベースに実際に使う中でガイドラインを策定していくことが大事なのではないかと思います。
教師のAIリテラシー向上
AIツールの特性や限界を理解し、適切に活用するための教師向け研修が必要となるでしょう。
いまならGPT4oを無料で使うことができますので、とにかくやってみましょう。
カリキュラムの再検討
AIの発展に伴い、暗記中心の学習から思考力や創造性を重視した学習へのシフトが加速する可能性があります。
バランスのとれたカリキュラムの見直しが必要となるかもしれません。
個人情報保護と倫理的配慮
AIツールの利用に伴う個人情報の取り扱いや、AIが生成する情報の倫理的な問題についての議論が必要です。
学校のICT環境整備
AIツールを効果的に活用するため、学校のICT環境のさらなる整備が求められます。
Copilotが使えるWindowsのPCが発売されています。
学校現場に入ってくるのもそう遠くはない未来のことだと思います。
5. 新たな資金調達の可能性
教育現場でのAI活用を推進するための資金調達方法として、企業版ふるさと納税の活用が提案されています。これは、企業が自治体に寄付を行い、その寄付額に応じて税制優遇を受けられる制度です。この仕組みを利用することで、教育のデジタル化やAI活用のための予算を確保できる可能性があります。
例えば、個別最適な学びを支援する事業として、AIドリル導入のための費用を事業化し、企業からの寄付を募るといった方法が考えられます。これにより、自治体の財政負担を軽減しつつ、教育のICT化を進めることができるでしょう。
結論
GPT-4oを活用した自学支援ツールは、個別最適化された学習支援や24o時間利用可能な学習パートナーとして、教育現場に大きな可能性をもたらします。一方で、回答の精度や信頼性、倫理的な配慮など、課題も存在します。
これらの課題を克服しつつ、AIを教育現場で効果的に活用していくためには、教育関係者、技術者、政策立案者が協力して取り組む必要があります。適切なガイドラインの策定、教師のAIリテラシー向上、カリキュラムの再検討など、多面的なアプローチが求められます。
また、企業版ふるさと納税のような新たな資金調達方法を活用することで、教育のデジタル化やAI活用のための予算確保も可能になるでしょう。
AIは教育のあり方を大きく変える可能性を秘めています。
しかし、最終的に重要なのは、AIをツールとして適切に活用しながら、子どもたちの学びと成長をいかに支援していくかということです。
テクノロジーの進化に惑わされることなく、教育の本質を見失わない姿勢が、これからの教育者に求められるのではないでしょうか。
公式LINEを作りましたので、何かご相談がありましたら、いつでもご連絡ください。
お待ちしております。
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