【超オススメ📕】小学5・6年生の学習技能を伸ばす!有田和正の教え方大辞典

目次

1. はじめに

こんにちは!今回は、とっても良い本を勤務校の校長先生から貸していただいたいたので気づいたことや参考になりそうなポイントをまとめてみました。

有田先生は長年小学校の先生として活躍された方で、実践的な指導法をたくさん提案されています。この本には、その豊富な経験から得られた知恵がぎっしり詰まっていました。

読まずに買う!という方はAmazonで検索してみてください。中古がいくつかあるみたいです。

有田先生のキャリアのスタートは私の初任校の隣だったり、実習で行った小倉附属でも働いてあったりして、勝手に親近感を抱いています。

もうすでに亡くなられているのですが、ご存命のうちにお会いしたかったと思っています。

この記事は、私が本を読んで「なるほど!」と思った部分を中心に、AIアシスタント(Claude)の力も借りながらまとめたものです。AIの整理力と私の教育現場での経験を組み合わせて、できるだけわかりやすくなるように心がけました。

これから、21世紀を生きる子どもたちに必要な学習技能って何だろう?そして、それをどうやって身につけさせたらいいんだろう?という疑問について、有田先生の本を参考にしながら考えていきます。特に小学5・6年生に注目して、この大切な時期にどんな力を伸ばせばいいのかを探っていきたいと思います。

先生方はもちろん、お子さんの教育に興味がある保護者の方にも、何か参考になるものが見つかるといいなと思っています。それでは、有田先生の教え方のエッセンスを一緒に見ていきましょう!

2. 21世紀に求められる学習技能とは

みなさん、「21世紀型スキル」って聞いたことありますか?有田先生の本を読んでいて、これからの時代を生きる子どもたちに本当に必要な力について、たくさんのヒントをもらいました。

有田先生が特に強調されていたのは、以下の2つの力です:

  1. 時代の変化に対応する力
  2. 新しい知識や学習技能を創造し続ける力

時代の変化に対応する力

今の世の中、本当に速いスピードで変化していますよね。私が子どもの頃には想像もできなかったスマートフォンが、今や小学生でも当たり前に使っています。そんな激しい変化の中で、柔軟に対応できる力が求められているんです。

有田先生は「時代の変化を素早く見極めて、それにふさわしい新しい知識や新しい学習機能を自らの力で創造し続けていく力、この力こそ授業で育てなければならない」とおっしゃっています。

新しい知識や学習技能を創造し続ける力

「知識をたくさん覚えること」から「知識を使いこなすこと」へ。これが今の教育で重視されていることなんです。

有田先生は「覚えることじゃなくて考えたり判断したりすること、これが今の学力として大事」だと言っています。つまり、与えられた情報をそのまま覚えるのではなく、その情報を使って自分で考え、新しいアイデアを生み出す力が大切なんですね。

なぜこれらの技能が重要なのか

考えてみてください。今の小学生が大人になる頃には、今ある仕事の多くがなくなって、新しい仕事がたくさん生まれているかもしれません。そんな予測不可能な未来を生きていくには、変化に柔軟に対応し、常に新しいことを学び続ける力が欠かせないんです。

もうすでにそんな時代になっていると思います。

私自身の周りでは年齢関係なく、常に新しいことを学び続ける人が活躍しています。そんな周りに置いていかれないように、必死で勉強しています。

有田先生の教え方は、まさにこの力を育てることを目指しています。「1回教えただけでできるわけじゃない」とおっしゃっているように、繰り返し練習し、実践を通じて身につけていく必要があるんですね。

次のセクションでは、これらの力を小学5・6年生の子どもたちにどのように育てていくか、より具体的に見ていきましょう。

3. 小学5・6年生に育てたい具体的な学習技能

さて、21世紀に必要な力について大まかなイメージがつかめたところで、もう少し具体的に、小学5・6年生のうちに特に身につけておきたい学習技能について見ていきましょう。有田先生の本を読んでいて、特に印象に残ったのは以下の3つの力です:

  1. 観察力:事実を観察し、多くの問いを見出す力
  2. 思考力・判断力:新しい事象や情報の意味や価値を判断する力
  3. 応用力:学んだことを現在の状況に応用する力

観察力:事実を観察し、多くの問いを見出す力

有田先生は「資料をじっくり見て観察して、そこからたくさん問いを見出すということが一つ大事」だと述べています。

例えば、歴史の授業で江戸時代の浮世絵を見るとき。単に「きれいな絵だな」で終わらせるのではなく、「なぜこんな色使いなんだろう?」「描かれている人々の服装は何を表しているんだろう?」「背景に描かれている建物は現代とどう違うんだろう?」といった具合に、たくさんの疑問を持つ力が大切なんです。

この力は、教科書や資料集を見るときだけでなく、日常生活のあらゆる場面で役立ちます。「なぜ?」「どうして?」と疑問を持つ習慣が、子どもたちの学びをどんどん深めていくんです。

思考力・判断力:新しい事象や情報の意味や価値を判断する力

有田先生は「覚えることじゃなくて考えたり判断したりすること、これが今の学力として大事」だと強調しています。

例えば、インターネットで調べ物をするとき。たくさんの情報が出てきますよね。その中から必要な情報を選び、その情報が信頼できるものかどうかを判断する力が求められます。「この情報は本当に正しいのかな?」「一次情報なのだろうか?」「別の立場からの意見はないのかな?」と考える習慣をつけることが大切です。

応用力:学んだことを現在の状況に応用する力

有田先生の授業では、歴史で学んだことを現代の問題に結びつけて考えさせる工夫がされています。

例えば、織田信長の統一政策を学んだ後、「現代の政治家の中に、信長のような改革をしようとしている人はいないかな?」と考えさせるんです。こうすることで、歴史は単なる暗記科目ではなく、現代を理解し、未来を考えるためのヒントを与えてくれるものだと気づくことができます。

学習指導要領にも歴史を学ぶ意義について考えさせるという記述があります。

大事にしたいですね。

これらの力は、一朝一夕には身につきません。でも、日々の授業や家庭学習の中で少しずつ意識して取り組んでいくことで、確実に身についていきます。次のセクションでは、これらの力を育てるための具体的な方法について、歴史学習を例に見ていきましょう。

4. 歴史学習を通じた学習技能の育成

歴史学習というと、ついつい年号や人物名を覚えることが中心になりがちですよね。でも、有田先生の歴史の授業は全然違うんです!歴史を通じて、子どもたちの思考力や判断力を育てる工夫がいっぱい。特に注目したいのが、「多角的な考察」を促す指導法です。

小学校の社会科における「多角的な考察」とは?

小学校の社会科で「多角的に考察する」というのは、ある出来事や問題について、いろんな角度から見て考えることです。具体的には:

  1. 時間的な視点:過去・現在・未来のつながりを考える
  2. 空間的な視点:他の地域や国との比較を行う
  3. 社会的な立場の違い:関わる人々それぞれの立場から考える
  4. 原因と結果の関係:なぜそうなったのか、どんな影響があったのかを探る

有田先生は、こうした多角的な考察を促す授業づくりの達人なんです。

具体例:大仏建立の学習を通じた多角的な考察

有田先生の授業では、奈良の大仏建立を題材に、こんな風に多角的な考察を促します:

  1. 時間的視点:
  • 大仏建立前後の時代背景を年表で確認
  • 「なぜこの時期に大仏を建てたのか」を考える
  1. 空間的視点:
  • エジプトのピラミッドや中国の明の十三陵など、他の巨大建造物と比較
  • 「なぜ世界中で巨大建造物が作られたのか」を考える
  1. 社会的立場の違い:
  • 天皇、貴族、僧侶、農民など、様々な立場の人々の視点で大仏建立を考える
  • 「誰が喜び、誰が苦労したか」を想像する
  1. 原因と結果の関係:
  • 大仏建立の目的(例:国家の安泰、仏教の広まり)を考える
  • 建立後の影響(例:財政負担、技術の発展、文化の変化)を探る

こうした学習を通じて、子どもたちは「大仏建立」という一つの出来事を、様々な角度から深く考察していきます。そして、ここで身につけた多角的に考える力は、他の歴史的事象を学ぶときにも、さらには現代の社会問題を考えるときにも活かされていくんです。

現在に応用する:歴史的な見方で今を考える

有田先生は、こうした多角的な考察を現代の問題にも応用することを大切にしています。例えば:

  • 古代の祭政一致の学習後、「現代では政治と宗教の関係はどうなっているか」を考える
  • 戦国時代の統一政策を学んだ後、「現代の政治家の中に、信長のような改革をしようとしている人はいないか」と考える

このように、歴史で学んだ「見方」や「考え方」を使って現代を見つめ直す。それこそが、有田先生が目指した歴史学習なんです。

多角的な考察力を育てる有田先生の授業。それを支えているのが、次のセクションで紹介する「発言力」なんです。子どもたちがどんな風に意見を述べ合うのか、一緒に見ていきましょう。

5. 発言力を高める3つの方法

子どもたちが自分の考えを上手に表現できるようになること。これって、とっても大切ですよね。有田先生は、子どもたちの発言力を高めるために、3つの発言タイプを意識した指導を行っています。それぞれのタイプを見ていきましょう。

A型:既知の知識や経験+新しい考え

これは、子どもたちが既に知っていることや経験したことを基に、新しい考えを述べる発言です。

例:
「私の家では、ゴミの分別をしています。だから、環境問題を解決するには、みんなが日々の生活でできることから始めるのが大切だと思います。」

指導のポイント:

  • 子どもたちの日常生活や既存の知識と、学習内容を結びつける
  • 「〜だから、〜と思います」という形で、根拠と意見をつなげる練習をする

B型:資料や本の内容+新しい考え

これは、教科書や資料集、参考書などの情報を基に、新しい考えを述べる発言です。

例:
「教科書の83ページに、『江戸時代は鎖国政策をとっていた』と書いてあります。でも、長崎の出島では貿易が行われていたので、完全な鎖国ではなかったと考えます。」

指導のポイント:

  • 資料の使い方、引用の仕方を教える
  • 資料の内容を鵜呑みにせず、批判的に考える習慣をつける

C型:提示された資料の内容+新しい考え

これは、授業中に先生や友達が提示した資料を基に、新しい考えを述べる発言です。

例:
(地図を見ながら)「先生が示してくれた地図を見ると、この地域は山に囲まれています。だから、昔の人々は山の資源を活用して生活していたのではないかと思います。」

指導のポイント:

  • 提示された資料をよく観察する習慣をつける
  • 資料から読み取れる情報と、自分の推論を区別して話すよう指導する

有田先生は、これら3つのタイプの発言をバランスよく使えるようになることが大切だと考えています。

低学年ではA型の発言が多くなりがちですが、学年が上がるにつれてB型やC型の発言ができるよう指導していきます。ただし、高学年でもA型の発言は大切です。なぜなら、学習内容を具体的な生活と結びつけるには、自分の経験を語ることが欠かせないからです。

また、有田先生は、これらの発言の仕方を明示的に教えています。例えば、「今の発言は、どのタイプだったかな?」「もし、これをB型の発言にするなら、どんな資料が必要かな?」といった具合に、子どもたち自身が自分の発言を振り返り、改善できるよう促しているんです。

こうした発言力の向上は、子どもたちの思考力や表現力を高めるだけでなく、授業への参加意欲も高めます。みんなで意見を出し合い、学び合う。そんな活気あふれる授業づくりの秘訣が、この3つの発言タイプにあるんですね。

次のセクションでは、こうした発言の基となる「資料活用力」について、もう少し詳しく見ていきましょう。

6. 資料活用力の育成方法

みなさん、「資料活用力」って聞いたことありますか?これは、様々な資料から必要な情報を見つけ出し、それを使って自分の考えを深めたり、表現したりする力のことです。有田先生は、この力を育てることがとても大切だと考えています。なぜなら、この力は学校の勉強だけでなく、大人になってからも必要不可欠だからです。

では、有田先生はどのようにして子どもたちの資料活用力を育てているのでしょうか?

多様な資料を使いこなす能力の重要性

有田先生の授業では、教科書だけでなく、様々な資料が使われます。例えば:

  • 歴史年表
  • 地図
  • 統計資料
  • 古文書の写真
  • 新聞記事
  • 博物館の展示物の写真

など、実に多様です。これらの資料を使いこなすことで、子どもたちは多角的な視点を身につけていきます。

資料の解釈と自分の考えを結びつける指導法

有田先生は、資料を見せるだけでなく、その資料をどう読み取り、解釈するかを丁寧に指導します。例えば:

  1. 資料をじっくり観察する時間を設ける
  2. 「この資料から何が分かる?」と問いかける
  3. 資料から読み取れる事実と、自分の推測を区別するよう促す
  4. 複数の資料を比較し、共通点や相違点を見つけさせる
  5. 資料から得た情報を基に、「なぜだろう?」「どうしてだろう?」と問いを立てさせる

こうした段階を踏むことで、子どもたちは資料を深く読み解き、そこから自分の考えを導き出す力を身につけていきます。

具体例:藤原氏の全盛期を題材にした歴史の見方の学習

有田先生の授業での具体的な例を見てみましょう。藤原氏の全盛期について学ぶ授業では、こんな風に進めていきます:

  1. まず、藤原氏の系図を見せる
  • 「どんなことに気づく?」と問いかけ、摂関政治の仕組みを考えさせる
  1. 次に、平安時代の貴族の邸宅の想像図を見せる
  • 「どんな暮らしをしていたと思う?」と問いかけ、貴族の生活を想像させる
  1. さらに、当時の農民の生活を描いた絵を見せる
  • 「貴族と農民の生活にはどんな違いがある?」と問いかけ、身分による格差に気づかせる
  1. 最後に、藤原氏の栄華を描いた物語(例:『栄華物語』)の一節を読む
  • 「なぜ藤原氏はこんなに栄えることができたのか?」と問いかけ、政治と経済の関係を考えさせる

このように、様々な資料を組み合わせて使うことで、子どもたちは藤原氏の全盛期という歴史的事象を多面的に理解していきます。そして、「権力」「格差」「政治と経済の関係」といった、現代社会を理解する上でも重要な概念を学んでいくのです。

次のセクションでは、こうした学びを効果的に進めるための、有田先生の授業づくりの工夫について見ていきましょう。

7. 効果的な学習の進め方

有田先生の授業を見ていると、子どもたちがいきいきと学んでいる様子が印象的です。どうやってそんな授業を作り上げているのでしょうか?ここでは、有田先生の効果的な学習の進め方について見ていきましょう。

イメージを練ることの重要性

有田先生は、「学習とはイメージを練ることだ」と述べてあります。これはどういうことでしょうか?

例えば、戦国時代の学習で「桃太郎」の例え話を使う授業を思い出してください。信長、秀吉、家康を順番に「桃太郎」に例えることで、子どもたちは戦国時代の権力の移り変わりを自分なりにイメージできるようになります。

このように、抽象的な概念や複雑な歴史の流れを、子どもたちにとって身近なものに置き換えてイメージさせる。これが有田先生の授業の大きな特徴の一つなんです。

具体的な方法:

  1. 身近な例え話を使う
  2. 絵や図を多用する
  3. ロールプレイを取り入れる
  4. 「もし〜だったら?」という仮定の質問を投げかける

子供との共成長:教師の役割

有田先生は、「子供と一緒に成長する」ということをとても大切にしています。これは、教師が一方的に教えるのではなく、子どもたちと一緒に考え、学び合う姿勢を持つということです。

例えば、ある授業で子どもが「先生、それって本当にそうなの?」と質問したとき、有田先生はこう答えたそうです。「うーん、先生もそこまではよく分からないな。みんなで調べてみようか。」

このように、教師も完璧を求めるのではなく、子どもと一緒に学ぶ姿勢を見せることで、子どもたちの学ぶ意欲や探究心が高まっていくんです。

また、「君たちには無理だろう」など、逆に子どもの心に火を灯すようなことも言われてあったみたいです。そうすると、なんとか先生を言い負かそうとして、あらゆる手をつくして調べてくるそうです。

外﨑

子どもたちのゆさぶり方を研究していきたいと思いました。

段階的な学習技能の向上(低学年から高学年へ)

有田先生の指導法のもう一つの特徴は、学年に応じて段階的に学習技能を高めていくことです。

低学年:

  • 具体的な体験や活動を通じて学ぶ
  • 「なぜ?」「どうして?」という疑問を大切にする
  • 自分の言葉で表現する機会を多く設ける

中学年:

  • 様々な資料を使い始める
  • グループでの話し合い活動を増やす
  • 調べ学習の基礎を学ぶ

高学年:

  • 多角的な視点で考える力を育てる
  • 資料を批判的に見る目を養う
  • 自分の考えを論理的に説明する力を磨く

例えば、6年生の歴史学習では、ある出来事について「なぜそうなったのか」「どんな影響があったのか」「もし〜だったらどうなっていたか」といった、より深い思考を促す問いかけが増えていきます。

有田先生は「3年間は必要」とおっしゃっています。つまり、こうした力を育てるには時間がかかるということ。でも、焦らずじっくりと取り組むことで、確実に子どもたちの力は伸びていくんです。

次のセクションでは、こうした学びを支える教師に求められるスキルについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

8. 教師に求められるスキルと役割

有田先生の授業記録を読んでいると、子どもたちの目が輝いていることが容易に想像できます。それはきっと、先生の巧みな指導があってこそ。ここでは、有田先生が考える「教師に求められるスキルと役割」について見ていきましょう。

子供の興味を引き出す発問技術

有田先生は「子どもたちの『はてな?』を大切にする」とよくおっしゃいます。そのために、こんな工夫をしています:

  1. 意外性のある導入
    例:江戸時代の学習で、「江戸時代にハンバーガーショップがあったら?」と問いかける
  2. オープンエンドな質問
    「〜はどうしてだと思う?」「もし〜だったら、どうなっていたかな?」
  3. 比較を促す質問
    「AとBは何が違う?似ているところはある?」
  4. 子どもの発言を生かした問い返し
    子どもの発言に「なるほど。じゃあ、〜ということ?」と問い返す

こうした発問によって、子どもたちの好奇心や探究心が刺激され、主体的に学ぼうとする姿勢が育っていくんです。

多様な見方を促す指導法

有田先生の授業では、一つの事象を様々な角度から見ることを大切にしています。

  1. 立場を変えて考える
    例:明治維新を、武士、農民、外国人など様々な立場から考える
  2. 時代を超えて比較する
    例:江戸時代の町人と現代の会社員の生活を比較する
  3. 地域を超えて比較する
    例:日本の鎖国政策と同時期の中国や韓国の対外政策を比較する
  4. 「もし〜だったら」と仮定する
    例:「もし徳川家康が関ヶ原の戦いに負けていたら、日本はどうなっていたかな?」

このように多様な見方を促すことで、子どもたちは物事を批判的に見る目や、創造的に考える力を身につけていきます。

資料活用の支援方法

有田先生は、子どもたちが自ら資料を活用できるよう、こんな支援をしています:

  1. 資料の読み方を丁寧に教える
    例:地図の見方、グラフの読み取り方、年表の使い方など
  2. 複数の資料を関連づける
    例:人口の推移を示すグラフと、その時代の政策を示す資料を見比べる
  3. 資料から問いを立てる練習
    「この資料を見て、どんな疑問が浮かぶ?」
  4. 資料の信頼性を考える
    「この資料は誰が、どんな目的で作ったのかな?」
外﨑

現在はこれらに加えてICTの活用も重要ですよね。

  1. タブレットやデジタル教材を使って、子どもたち自身が資料を検索・活用する機会を設ける
  2. ZoomやMeetを使用して、遠隔地とのやりとりを行う
  3. AIを使用して、自分たちになかった視点を見つける

こうした支援によって、子どもたちは単に与えられた資料を見るだけでなく、自ら必要な情報を探し、分析する力を身につけていきます。

有田先生は「教師は黒子に徹するべき」ともおっしゃっています。つまり、教師は前面に出るのではなく、子どもたちの学びを後ろから支える存在であるべきだということです。

でも、それは決して楽な役割ではありません。子どもたちの反応を見ながら、適切な発問をし、多様な見方を促し、必要な支援をする。それには、深い教材研究と豊かな創造力、そして何より子どもたちへの深い愛情が必要なんです。

有田先生の教え方は、まさに「教育は愛なり」という言葉を体現しているように感じます。私たち教師も、こうした姿勢を学び、日々の授業に生かしていきたいですね。

色々言われている世の中ですが、ここが教師の「やりがい」なんじゃないかなぁと思います。

担任している子どもたちがかわいくて仕方ありません。(腹が立つこともありますが・・・笑)

初任者の頃、指導してもらう中で言われたことがあります。

子どもたち全員をかわいいと思えるようにならなければいけません。
それは、自分の言うことを聞いてくれる子だけではなく、反発する子たちも含めてです。

はじめはよく分かりませんでしたが、経験年数を重ねていく中で、言葉の意味が分かってきたように思います。

うちの学校の職員室で子どもたちの話をする中で、担任の先生たちが自分のクラスの子を可愛がっているんだろうなと感じる場面がたくさんあります。

子どもって面白いですよね。

話はそれてしまいましたが、きっと最後まで読んでいただいた先生方も、学級の子どもたちのことを可愛がってあるんじゃないかなと思います。

9. まとめ

さて、ここまで有田和正先生の「学習技能の基礎・基本教え方大事典 小学5~6年編 (21世紀型授業づくり 56)」から学んだことを、一緒に見てきました。最後に、もう一度大切なポイントを確認してみましょう。

今回のポイント

  1. 多角的な視点の育成: 歴史や社会の事象を、様々な角度から見る力を育てる
  2. 思考力・判断力の重視: 単なる暗記ではなく、考え、判断する力を重視する
  3. 発言力の向上: A型(経験)、B型(資料)、C型(提示資料)の3つの発言タイプを意識的に育てる
  4. 資料活用力の育成: 多様な資料を読み解き、自分の考えと結びつける力を育てる
  5. イメージ化の重要性: 抽象的な概念を具体的にイメージできるよう工夫する

21世紀を生きる子供たちに必要な学習技能

有田先生の教え方は、まさに21世紀を生きる子供たちに必要な力を育てるものです。

  • 変化への対応力: 時代の変化に柔軟に対応できる力
  • 創造力: 新しい知識や学習技能を自ら生み出す力
  • 批判的思考力: 情報を鵜呑みにせず、多角的に分析する力
  • コミュニケーション力: 自分の考えを効果的に表現し、他者と協働する力

これらの力は、AI時代と言われる現代において、ますます重要になっています。単に知識を暗記するだけでは、AIに取って代わられてしまうかもしれません。でも、多角的に考え、創造的に問題解決できる力は、AIにはない人間の強みとなるでしょう。

外﨑

⇧はAIが言っています。笑

教師と子供が共に成長する学びの場づくり

有田先生の教育哲学で特に印象的なのは、「教師も子供と共に成長する」という考え方です。教師は完璧な存在ではありません。子供たちと一緒に疑問を持ち、一緒に考え、一緒に学んでいく。そんな姿勢が、子供たちの学ぶ意欲を引き出し、生涯学び続ける態度を育むのです。

私たち教師は、有田先生のこの教えを心に刻み、日々の授業を創造的な学びの場にしていく努力が必要でしょう。それは決して簡単なことではありませんが、子供たちの目が輝く瞬間を見られたとき、きっとその努力が報われたと感じられるはずです。

有田先生の教え方は、単なる「教科指導法」を超えて、子供たちの未来を切り拓く力を育てる「人間教育」だと言えるでしょう。これからの教育に携わる全ての人にとって、大いに参考になる考え方だと思います。

なんなら、大人を育てている人にも読んでいただきたいです。

色々オススメはあるのですが、私の中でのイチオシは「教え上手」です。

みなさんも、ぜひ有田先生の本を手に取って、さらに深く学んでみてはいかがでしょうか。きっと、新しい教育の可能性が見えてくるはずです。

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この記事を書いた人

福岡の小学校教員 8年目 / 社会科の授業にICTを活用 / GEG Chikuhoリーダー /初心者向けICT研修講師/ 福岡社会科教育実践学会・日本教育工学会所属 / WordPressでICT活用術を発信 / 動画編集・デザイン・Web記事作成・論文執筆・楽曲制作も

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