はじめに
皆さんは、⽇々の授業づくりにAIを活⽤したことがあるでしょうか?
教材作成や⽣徒の学習⽀援にAIの⼒を借りることで、教員の負担を軽減し、より効果的な指導につなげられる可能性があります。
2024年6⽉15⽇、福岡県のGEG Chikuhoではオンラインのワークショップ〜NotebookLM〜を開催し、Googleが出した、最新のAIツール「NotebookLM」の教育利⽤について議論が交わされました。
NotebookLMは、⼤量のテキストデータを読み込み、そこから知識を抽出して質問に答えることができるAIモデルです。
実際にNotebookLMを使⽤しながら、その可能性と課題について探究が⾏われました。
参加者からは、すでにNotebookLMを活⽤している教員の実践例が紹介され、AIを教育現場にどのように取り⼊れていくかについて活発な意⾒交換が⾏われました。
例えば、授業の振り返りの分析や、⽣徒が作成したドキュメントの内容チェック、調べ学習の資料整理などにNotebookLMを活⽤できるのではないかという提案がありました。
しかし、AIの出⼒をそのまま鵜呑みにするのではなく、教員が内容を吟味する必要性も指摘されました。
NotebookLMをはじめとするAIツールを効果的に活⽤するためには、教員⾃⾝がAIについての理解を深め、適切な判断ができるスキルを⾝につけることが不可⽋だと考えられます。
このワークショップを通じて、参加者は教育現場におけるAIの可能性と課題について理解を深めました。同時に、今後の教育実践にAIをどのように⽣かしていくかという新たな問いを持つことができました。
本記事では、GEG Chikuhoのワークショップの内容を詳しく紹介しながら、NotebookLMをはじめとするAIツールの教育利⽤について考察していきます。読者の皆さんも⼀緒に、AIと教育の未来について考えてみませんか?
NotebookLMの基本的な使い⽅と実験
NotebookLMは、GoogleのGemini1.5 proが搭載されています。
⼤量のテキストデータから知識を抽出し、質問に対して適切な回答を⽣成することができます。
ユーザーは、NotebookLMにPDFファイルやWordドキュメントを読み込ませ、そこに含まれる情報について質問をすることで、AIによる分析や要約を得ることができるのです。
GEG Chikuhoのワークショップでは、実際にNotebookLMを使った実験が⾏われました。
まず、⼩学校学習指導要領の社会科編をNotebookLMに読み込ませ、学習内容に関する質問をしてみました。
すると、NotebookLMは指導要領の内容をある程度把握し、適切な回答を⽰すことができました。
「⼩学校第6学年の学習内容に⼯業⽣産はありますか?」という質問に対し、NotebookLMは「第6学年にはありません。第5学年の学習内容として、我が国の⼯業⽣産について扱います。」と的確に回答しました。また、「⼩学校第5学年の⼯業⽣産の学習について、育成を⽬指す資質・能⼒を教えてください。」という問いには、指導要領の記述を引⽤しながら、育成を⽬指す資質・能⼒を具体的に説明することができました。
なんか所見みたいになってしまった笑
この実験から、NotebookLMが教育に関する専⾨的な資料を理解し、適切な情報を提供できる可能性が⽰唆されました。教員が指導要領の内容を確認したり、授業の準備に必要な情報を効率的に収集したりする際に、NotebookLMが役⽴つかもしれません。
ただし
複数のファイルを同時に読み込ませると、NotebookLMがうまく機能しませんでした。
また、NotebookLMの回答は、読み込ませたデータの範囲内に限られます。
いまのところ、NotebookLMは与えられた情報を組み合わせて回答を⽣成するため、読み込ませたデータに含まれない情報については、的確な回答ができないみたいです。
これらの特性を理解した上で、NotebookLMを活⽤することが重要だと考えられます。
NotebookLMに頼りすぎず、その出⼒を批判的に吟味する姿勢が必要でしょう。
また、NotebookLMに適切なデータを読み込ませるためには、教員⾃⾝が質の⾼い情報を選択・収集するスキルを⾝につける必要があります。
皆さんは、NotebookLMの実験結果をどのように感じましたか?
NotebookLMを授業づくりに活⽤するとしたら、どのような場⾯で役⽴ちそうでしょうか?
逆に、NotebookLMの限界や注意点は何だと思いますか?
ぜひ、コメント欄に書いてください。
NotebookLMの教育利⽤の可能性と他のAIツールとの⽐較
NotebookLMの実験を通して、AIが教育現場で活⽤できる可能性が⾒えてきました。
ワークショップの参加者からは、NotebookLMを授業づくりのさまざまな場⾯で活⽤できるのではないかという意⾒が出ました。
例えば、 ファクトチェックをサポートするためのツールとしてNotebookLMを使うことができます。
⽣徒が作成したレポートやプレゼンテーション資料をNotebookLMで分析することで、内容の適切さをチェックすることもできます。
AIによるフィードバックは、⽣徒の学びを深めるための⼿がかりになるかもしれません。
さらに、⽣徒の調べ学習の⽀援にもNotebookLMが役⽴ちそうです。
NotebookLM以外にも、教育現場で活⽤できるAIツールは数多くあります。
例えば、ChatGPTは対話形式でさまざまな質問に答えてくれるAIチャットボットです。
教員が授業の導⼊で使う話題を考えたり、⽣徒の質問に対する応答例を⽣成したりすることができます。
また、AI翻訳ツールのDeepLは、教材の多⾔語化に役⽴ちます。
海外の教育実践事例を⽇本語に翻訳したり、⽇本の優れた教材を外国語に翻訳したりすることで、グローバルな教育交流が促進されるでしょう。
画像⽣成AIのMidjourneyやStable Diffusionは、教材のイラストや図解の作成に活⽤できます。
教員が伝えたいイメージを⾔葉で指⽰するだけで、AIが魅⼒的なビジュアルを⽣成してくれるのです。
このように、さまざまなAIツールを組み合わせることで、教育現場におけるAIの可能性はさらに広がります。NotebookLMで教材の内容を分析し、ChatGPTで⽣徒の反応を予測し、Midjourneyで説明⽤の図解を作成する――といった具合に、AIツールを連携させることで、より効果的な授業づくりが実現できるかもしれません。
ただし、AIはあくまでも教員の指導を⽀援するツールであり、教育の主体はあくまでも⼈間であることを忘れてはいけません。AIの出⼒を批判的に吟味し、教育的な観点から適切に活⽤していくことが重要です。
NotebookLMを効果的に活⽤するための課題と教員に求められるスキル
NotebookLMをはじめとするAIツールは、教育現場に⼤きな可能性をもたらします。しかし、それを効果的に活⽤するためには、いくつかの課題を克服する必要があります。
まず、AIの出⼒をそのまま鵜呑みにしてはいけません。AIは膨⼤なデータから学習していますが、時にはバイアスのかかった情報や誤った知識を含んでいる可能性があります。また、AIは与えられた情報を組み合わせて回答を⽣成するため、⽂脈を理解せずに不適切な発⾔をすることもあります。
今回の記事はClaude3を使用して作成していますが、おかしなところがありました。必ず人間の目でしっかりと確かめましょう!
したがって、教員はAIの出⼒を批判的に吟味し、その内容が教育的に適切かどうかを⾒極める必要があります。
AIによる分析や提案をもとに、教員⾃⾝が最終的な判断を下すことが重要なのです。
また、AIを効果的に活⽤するためには、教員⾃⾝がAIについての理解を深める必要があります。AIの仕組みや特性を知り、その⻑所と短所を把握することで、AIをどのような場⾯でどのように使えばよいかが⾒えてきます。
さらに、AIを授業づくりに活⽤するためには、教員のICTスキルの向上も⽋かせません。AIツールの使い⽅を習得し、⽣徒の学習データを適切に管理・活⽤できるようになることが求められます。
加えて、AIを使った授業デザインのスキルも必要でしょう。AIによる分析結果を踏まえて、どのような教材を準備し、どのような学習活動を組み⽴てればよいかを考える⼒が問われます。
AIの活⽤には、教員の倫理観の向上も⽋かせません。
個⼈情報の保護やデータの適切な取り扱いについて、深い理解と⾼い意識が必要です。
また、AIによる評価の限界を認識し、⽣徒⼀⼈ひとりと向き合う姿勢を⼤切にすることも重要でしょう。
なんなら、ここが人間として残されている強みかなぁと思っています。
一人ひとりと向き合う回数を増やすためのICT活用でありたいです。
私たち教員がこれらのスキルを⾝につけるためには、研修の充実が⽋かせません。
AI活⽤に関する基礎知識を学ぶ機会を設けるとともに、実践的なワークショップやハンズオントレーニングを⾏うことが有効だと考えられます。
また、お互いに知⾒を共有し、AI活⽤の best practice を学び合える場づくりも⼤切でしょう。
何かお力になれることがあると思いますので、いつでもお気軽にご連絡ください。
もちろん学校の先生以外からのお誘いも大歓迎です。
本業に支障のない範囲でお手伝いさせていただきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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