前回の続きです。
今回の質問項目
社会科の時間に書くことが難しいと感じることはありますか?
社会科の学習で、書くことが難しいと感じるのはどんな場面ですか?
書くことが難しいと感じる理由は何ですか?
社会科の学習で、どのようなアプリや機能があれば、書くことの難しさを感じずに学習できると思いますか?
学習問題を考える場面で、どのようなアプリや機能が役立つと思いますか?
調べたことを整理する場面で、どのようなアプリや機能が役立つと思いますか?
まとめる場面で、どのようなアプリや機能が役立つと思いますか?
タブレット端末を活用することで、社会科の学習がどのように変わると思いますか?
タブレット端末を活用することで、社会科の学習がどのように変わると思いますか?
社会科の学習の中で、あなたにとってタブレット端末はなくてはならないものですか? なぜですか?
タブレット端末を活用した社会科の学習で、先生や友達に対してどのようなサポートを望みますか?
タブレット端末を使った社会科の学習と、紙と鉛筆を使った学習とでは、どちらが自分に合っていると感じますか? なぜですか?
タブレット端末を使った社会科の学習で、もっとこうなればいいなと思うことはありますか?
結果から得られるインサイト
- 社会科の学習において、多くの児童が調べたことをまとめる場面や、自分の考えを書く場面で書くことの難しさを感じています。漢字の書き取りや文章構成、読みやすいノートのまとめ方などに課題を抱えている様子がうかがえます。
- 書くことの困難さを感じる要因としては、思考を言語化することの難しさや、手書きの負担感、時間がかかることなどが挙げられています。
- タブレット端末のアプリや機能に対しては、音声入力や手書き文字認識、予測変換など、入力の負担を軽減する機能への期待が高いことが分かります。また、マインドマップや付箋アプリを用いたアイデア整理、プレゼンテーションアプリでの情報の可視化など、思考を整理・表現するツールとしての活用も期待されています。
- 学習問題の設定や調べ学習の場面では、インターネット検索や友達との情報共有を可能にする機能の有用性が指摘されています。
- タブレット端末の活用により、自分のペースでの学習の進行や、協働的な学びの促進、学習内容の理解の深まりなどの効果が期待されている一方で、操作面での不安や戸惑いも見られます。
- 多くの児童にとって、タブレット端末は学びを支える有用なツールとして認識されていますが、紙とペンによる学習との使い分けを望む声も少なくありません。それぞれの特性を生かした柔軟な活用が求められていると言えるでしょう。
- タブレット端末を効果的に活用するためには、児童一人一人に適したアプリの選択や、操作面でのサポートの充実、学校内外での利用環境の整備などが重要だと考えられます。
以上のように、本アンケートの結果からは、書くことに困難さを抱える児童にとって、タブレット端末がその負担を軽減し、主体的・対話的な学びを促す有用なツールとなる可能性が示唆されました。一方で、アナログとデジタルのそれぞれの長所を生かした指導の在り方の探究や、ICT活用を支える環境の整備などの課題も浮かび上がってきました。児童の声に耳を傾けながら、一人一人の特性に寄り添ったICT活用を模索していくことが求められると言えるでしょう。
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