はじめに
こんにちは。小学校教員7年目の外﨑です。
2023年は学校内外で様々なことを経験させていただきました。
当然失敗も成功もありました。
それらを通じて、たくさんの気づきを得ることができました。
2024年の目標を明確にするために、整理していきたいと思います。
読んでいただければ、授業改善や業務改善のために大切な考え方をヒントを得ることができます。
5年生の算数の授業では、体積の学習の中で、特に難しいとされるL字型立体の体積を求める問題があります。
このタイプの問題は、学力的に苦戦している児童にとって特に難解です。
なぜなら、どのように立体を分割すればよいか、どの部分を継ぎ足して考えればよいのかが直感的にわかりにくいからです。
そこで私たちは、3Dモデルを導入し、立体を具体的に操作してみる方法を試しました。
結果として、立式と説明に関しては全員できるようになりました。
この記事では、その授業の詳細と、児童たちがどのように問題に取り組んだかについてお話しします。
ちなみにちなみに
単元の概要
単元の目標
直方体や立方体の体積について、その比べ方や表し方を理解し、求め方や公式を考えたり単位を適切に用いて表現したりすることを通して、体積の理解を深めるとともに生活や学習に活用しようとする態度を養う。
単元計画(全9時間)
第1次 直方体・立方体の体積(4時間)
【3時間目】3D教材を操作する活動を通して、L字型などの複雑な立体図形の体積を直方体に分けたり継ぎ足したりして、求め方を考えることができる。
【4時間目】3D教材を操作する活動を通して、L字型などの複雑な立体図形の体積を求めるための式を考え、体積を求め、説明することができる。
第2次 大きな体積(1時間)
第3次 容積(2時間)
第4次 体積の単位の関係(1時間)
第5次 復習・まとめ(1時間)
使用した教材
色ペンや鉛筆で書き込みができる素材を使って、3Dプリンターで3パターン作りました。
作成した3Dモデル | 意図 |
---|---|
L字型の立体(Fig.1) | 手にとって、どのような立体なのかを考えることができるようにする。 線を引いて、分け方を考えることができるようにする。 |
L字型+本来はなかった部分(Fig.2) | 本来はなかった部分を継ぎ足すことによって、L字型の立体の体積を一つの直方体として求め、継ぎ足した部分を引けば良いということに気づくことができるようにする。 |
L字型を3つに分けた立体(Fig.3) | L字型の立体は、2つまたは3つの直方体に分けて考え、それぞれを合わせれば良いということに気づくことができるようにする。 |
子どもたちの反応
子供たちは最初、3DモデルのL字型立体を見て、手に取り、各部分の長さを確認しましたが、どのように体積を求めるかは最初はわからなかったようです。
その後、ある児童が「ここは横に引いたらいいんじゃない」と提案し、4年生の時に学んだ複雑な平面図形の面積計算を思い出しました。
これを受けて、私は立体にも同様の方法が使えるのではないかと子どもたちに投げかけました。
そして、Fig.2とFig.3の3Dモデルを使って、立体を分けたり継ぎ足したりする操作ができることを提示しました。
3Dモデルを一人一つ渡し、自由に操作させる時間を取り、自分たちで求め方を見つけ出しました。
第3時は、そこまでで終わりました。
第4時では、実際に計算して、その求め方をワークシートに記録しました。
子どもたちは自分が選んだ3Dモデルをワークシート上に置き、その計算方法を書き、最後に考え方を記録しました。
一部の子たちに対しては、教師が手助けし、公式の確認などのサポートを行いましたが、全員が立式し、考え方を書くことができました。
その後、3Dモデルを使うことの良さについて尋ねました。
今までだったら、頭の中で考えて斜めに線を引いてしまっていました。
でも、実際に触ってみると、考えやすかったです!
実践後の感想
3Dモデルを使用することによって、頭の中で想像しながら考える作業がなくなったため、L字型などの立体の図形を求めることのハードルが下がったと思います。
あとは、縦は緑、横は赤、高さは青など、公式で使う部分を色分けすることができたのも良かったのではないかと考えています。
もちろん、分け方が限定されるため、「自由な発想が出てこないんじゃないか?」という心配もあるかもしれません。
しかし、算数の苦手な子どもたちにとっては、必要な手立てなのではないでしょうか。
3Dプリンターを活用すれば、子どもたちに合わせた教材を比較的安価に自作することができるため、特に特別支援学級・特別支援学校の先生たちにとってはオススメです。
終わりに
次回は、昨年度実施したGEG 沖縄サミットの運営スタッフとしての10ヶ月間のミーティングの中で得た気づきについて振り返っていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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