【自分用】評価基準と展開計画

評価基準と展開計画

表14 第1段階:基礎的理解の確認が必要な児童

支援内容具体例
教科書や資料から具体的な事実を見出す支援児童の記述:
「明治政府は官営工場を作って、色んなものを輸出するようになりました」

フィードバック:
「産業の発展に向けた政府の取り組みに注目できていますね。政府が力を入れた産業には、どのようなものがあったのでしょうか?教科書p.179の写真と資料を見てみましょう。なぜそれらの産業が必要だったのか、当時の他の国との関係と結びつけて考えてみましょう。」

期待される変容:
殖産興業政策の具体的な内容と目的の理解

表15 第2段階:関連付けの促進が必要な児童

支援内容具体例
複数の事象を比較・関連付ける問いかけ児童の記述:
「明治政府は学制を定めて、全国の人々に教育を受けさせるようにしました」

フィードバック:
「教育制度の整備という重要な改革に気付きましたね。なぜこの時期に全国民への教育が必要だったのでしょうか?五箇条の御誓文や富国強兵政策と関連付けて考えてみましょう。」

期待される変容:
近代化政策における教育の役割の理解

表17 「明治政府の行なった政策の中で最も重要なのは何か」に対する評価基準表

評価の観点十分達成(A)おおむね達成(B)努力を要する(C)
社会的事象の理解
(政策の内容や
仕組みの理解)
・政策の具体的な内容、手順、方法を正確に説明できる

記述例:
「廃藩置県では、まず明治4年に全国の藩を廃止して県を置き、藩主を県知事に任命しました。その後、県を整理統合して3府72県とし、政府が任命した知事を置いて中央集権体制を整えました」
・政策の基本的な内容を説明できる

記述例:
「廃藩置県では、たくさんあった藩をなくして、かわりに府や県をつくり、政府が直接支配するようにしました」
・政策の内容を断片的にしか説明できない

記述例:
「廃藩置県で、藩がなくなりました」
時代背景との関連付け
(なぜその政策が
必要だったのかの
理解)
・当時の社会が抱えていた課題を具体的に説明し、その解決のためにその政策が必要だった理由を説明できる

記述例:
「明治政府は、不平等条約を改正して欧米諸国と対等な関係を築くために、近代的な国家をつくる必要がありました。そのためには、江戸時代のような分かれた支配ではなく、政府が全国を直接支配できる仕組みが必要だったのです」
・当時の社会状況と政策の必要性を結びつけて説明できる

記述例:
「欧米の国々に追いつくために、政府が全国をまとめて指導できる仕組みが必要でした」
・政策の必要性を具体的に説明できない

記述例:
「新しい国をつくるために必要でした」
表現力
(政策がもたらした
影響や変化の説明)
・政策がもたらした影響を、複数の立場や長期的な視点から具体的に説明できる

記述例:
「廃藩置県によって、政府は全国で同じ政策を実施できるようになり、その後の地租改正や学制の発布をスムーズに進めることができました。一方で、藩が無くなることで仕事を失った武士もいて、士族の反乱が起きることにもなりました。しかし、この改革は今日の都道府県制度の基礎となっています」
・政策がもたらした主な影響を説明できる

記述例:
「廃藩置県によって、政府は全国で同じように政治を行えるようになり、新しい政策を進めやすくなりました」
・政策の影響を具体的に説明できない

記述例:
「政府が強くなって、世の中が変わりました」

表16 第3段階:多面的な考察の深化を促す児童

支援内容具体例
時代の変化への着目を促す支援児童の記述:
「明治政府は殖産興業政策を進めて、紡績工場や製鉄所をつくり、産業を発展させました」

フィードバック:
「殖産興業政策が産業の発展につながったことをよく理解していますね。この政策は、不平等条約の改正にどのように影響したでしょうか?また、農民や商人の暮らしにどのような変化をもたらしたと考えられますか?」

期待される変容:
政策が社会に与えた多面的な影響の理解

表18 本時1:AIを活用した個別フィードバックをもとに児童が自分の考えをつくる時間の展開

学習活動指導上の留意点評価
1. 導入【5分】

①前時までの学習を振り返り、明治政府が行った改革について確認する。
・廃藩置県
・学制の制定
・地租改正
・殖産興業

②本時のめあてを確認する。
「明治政府が行った改革の中で最も重要なものは何か、理由を明確にして考えよう」
・前時までに学習した各改革の内容を年表で確認する。

・重要性を考える視点として、「当時の社会への影響」「現代とのつながり」があることを示唆する。
2. 展開【30分】

①個人で考えを書く【10分】
・自分が最も重要だと考える改革を選び、その理由を書く。

②AIフィードバックを読み、考えを深める【10分】
・提示されたフィードバックをもとに教科書や資料で調べ直す。
・新たな視点を加えて考えを書き足す。

③グループでの意見交換【10分】
・自分の選んだ改革とその理由を説明する。
・質問カードを活用して意見交換を行う。
・評価基準表【表17】に基づき、支援が必要な児童をリストアップしておく。

・机間指導の際、特に「時代背景との関連付け」に課題がある児童には、教科書の年表や資料に着目させる。

・グループでの意見交換では、「なぜその改革が必要だったのか」「どのような影響があったのか」といった視点で考えられるよう支援する。
評価規準:
時代背景との関連付け

評価方法:
発言・ワークシート
3. 振り返り【10分】

①自分の考えを再確認する。
・グループでの意見交換を通して気付いたことを書き加える。

②次時の見通しをもつ。
・学級全体で考えを共有することを確認する。
・振り返りの視点として「新たに気付いたこと」「さらに調べたいこと」を示す。

・次時の話合いに向けて、自分の考えを整理するよう促す。
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この記事を書いた人

福岡の小学校教員 8年目 / 社会科の授業にICTを活用 / GEG Chikuhoリーダー /初心者向けICT研修講師/ 福岡社会科教育実践学会・日本教育工学会所属 / WordPressでICT活用術を発信 / 動画編集・デザイン・Web記事作成・論文執筆・楽曲制作も

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